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2019年6月22日土曜日

オクトパスズ

「人生、どんなことがあっても無駄な時間などない」
をモットーに生きていますが、生きていて久しぶりに100パーセント無駄だと思う時間があったので綴ります。

8階から降りるためのエレベーターに乗った。
僕の次に、3人組のOLが乗ってきた。
ある程度待って、ドアが閉じかけたそのとき、1人のオッサンが小走りで走ってきた。

心優しいOLのうちの1人が、閉まりかけたドアを「開」ボタンを押して、土壇場でオッサンを間に合わせてあげた。

僕も、まぁよくあることだな、と思いオッサンを待った。
オッサンはユデダコの様に顔が真っ赤だった。ここまでは良かった。


トロトロと走ってきたユデダコがエレベーターの中に入り、さぁ「閉」ボタンを押すのかと思いきや、
「開」ボタンを押したまま

「おーーーーーい」
「こっちこっちーーーーーー」

と大声で全身を使った手招きで、なんと150メートル先にいるもう1人のユデダコの様に顔を真っ赤にしたオッサンを招き出した。

ユデダコBは、しめしめと言わんばかりに超低速で走り出した。いや、もはや歩くより遅かったけども。

カールルイスですら最速で15秒かかる距離の70オーバーの低速ダッシュを長々と見せられるハメになった。

確実にエレベーターがもう一往復出来るであろう時間待たされたのち、ユデダコBが入ってきた。

待たされる事数分、もし僕が驚異的な腹痛に襲われていたら、殺意を覚えたに違いない。
いや、すこぶる健康状態良好だったその時ですら、殺意を覚えた。

ようやくドアが閉まり、エレベーターが降りだすと、ユデダコAが

「いやー、この度はどうも」
と意味不明な挨拶回りを始めた。

OL1、OL2、OL3、そして俺に。一人一人順々に、だ。

もはや友人の結婚式で始めて会う、友人の両親のようだった。

僕は必死に苛立ちを抑えて「大丈夫です」
と答えて1階を待った。

一階でドアが開くと、ユデダコA,Bは「それでは失礼します」と去っていった。
多大なる被害を与えて颯爽と去っていくハリケーンの様だった。

「人生、どんなことがあっても無駄な時間などない」

と思い続けて生きているので、無駄な時間にしないためにも書かせていただきました。

タコを食べる時に、あのコンビを思い出してしまわないかが心配です。

加賀山





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