曲を作っている人なら誰しもが打ち当たるであろう壁。
シングルっぽい曲が欲しい。
シングルっぽい、ヒット曲、代表曲。
言い方は何でもいいが、絶対にそういう曲を作りたいという欲は出てくるはずである。
勿論僕もそうであったし、もちろん作る曲全部がそうであってほしい。
そもそもシングルっぽい曲とは何だろうか。
サビが超絶キャッチー?
バンドの個性が存分に出ている?
ノリがよくて分かりやすい?
まぁ色々あるのかも知れない。
確かに俗に言うシングル曲と言うのは、確かに上記の様な曲が多い気もする。
が、これをワザとらしく作ろうとしても、そして、できた曲が上記の要素が存分に入っている曲であっても、なかなか思う様にはできない物なのである。
プロフェッショナルなソングライターたる者、こういう曲を作りたいという曲を自在に作れてナンボだろう。と言われればそれまでなのだが、その質に関しては出来てみないと言うのが本音なのである。
そこでいつもの様に曲作りが難航し悩んでいると、競馬狂のメンバーから言われた台詞がある。
「競馬において、ディープインパクトの子供だからと言って必ずG1を勝てるとは限らない。大きな牧場が莫大な金を掛けて、良血の名牝とディープをつけたからといって、勝てない馬になる事は多々あるし、格安の謎の血統の馬が激走する事もよくある。」
なるほど。
かの有名な僕の天敵キタサンブラックも、完全な短距離血統なのに、強靭なスタミナを持っていました。血統に拘って何度馬券で痛い目をみたことか。。
大切なのは血統ではなく、産まれた馬の持っている能力や個性を最大限に引き出してあげること。
曲が出来る背景や要素よりも、完成した曲を一番いい形で表現してあげることが何よりも大事なのだ。
この台詞が私の肩の荷を軽くしてくれました。
曲は所詮曲。無理に期待を押しつけない。
それから僕は良い意味で気楽に曲を作れる様になりました。
よくよく考えれば、短距離から長距離、芝、ダート。良馬場や不良馬場。全てをこなす馬なんていない訳で、それぞれがそれぞれの舞台で自分の最大限を発揮して。輝いているのです。
そう思って、一曲一曲にしっかりと役割を作ってあげる様に曲を仕上げていくと(結局はこのアレンジと言う部分にはかなり骨を折りますが)、不思議と曲に愛着も湧き、
ライブでも一曲一曲が引き立つようになり表現が広がり、結果的にシングルっぽいと言う役割を持った曲がポンと産まれたりするのでした。
結局何が言いたかったかと言うと、曲作りに悩んでいるソングライターは、
競馬やれってことですね。
馬を大切に育てる様に、曲を可愛がるのです。
加賀山
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